CHAT(関西大学人間活動理論研究センター)主催の第5回国際シンポジウム「新しい学びの挑戦」に参加してきました。JR東京駅 日本橋口すぐのサピアタワーにある関西大学東京センターにて開催。すごい瀟洒なビルだし、入館管理がsuicaって、いいな。9Fから眼下にはJR各線が広がってるし。
テーマは、「日本とフィンランドにおける教育の変革」なのですが、フィンランドネタは午後からで、所用のため午前中のみ参加。宮崎先生(早稲田大学)、大島先生(静岡大学)、白水先生(中京大学)、比留間先生(関西大学)、山住先生(関西大学)の5人で行う共同セッションでした。午後には、ヘルシンキ大学の Jaakko Virkkunen 教授と Pirita Seitamaa-Hakkarainen 教授の基調講演が予定されていました。
中京大学の白水始先生のプレゼンテーションをはじめて拝聴することができた。中京大で三宅なほみ先生と一緒に行っている認知科学系の授業内容の理解を促す道具のデザインの話でした。レクチャーはダメ、じゃなくって、レクチャーもいい!というのがこのデザインのスタートにあるようです。
通常の大学講義では、講義後に振り返りシートに感想や疑問点などを書かせても、先生が喋ったネタとか、先生が最後に出した結論部のスライドの内容を書いて「面白かった。」と書くだけ。なんでそんな結論になったのか、というようなプロセスは大半の学生は不問。これは多くの大学の先生が遭遇している状況だと思います。
白水先生は、講義を全部ビデオにとって、それを何分かのビデオクリップにして、学生それぞれにひとつのクリップを担当させる。学生は各々ビデオにコメント可能で、受講生の書き出されたコメントをつなげていくことで、理解が促進するという「協働的リフレクション」。
この大学版ニコニコ動画的知識共有ツールは面白いかも。今回のCHATフォーラムも動画におさめて、参加者が好きなところにコメントのこしてBBS的に使ってみるだとか、そういうこともできるだろう。ニコ動の目的は時空間を超えた視聴者どうしの感動共有かもしれないが、白水先生システムはマニアックに徹底理解する目的に向いていると思われます。
こういう道具が授業に入り込んでくると、学生さんは「レクチャでの学びは難しい。けど、レクチャでも学習や理解は可能。」というメタ学習がデザインされるよに思います。道具は教師の授業目的を強く可視化してくれる。実際にこの授業にハマる学生さんは、この授業の目的が何なのか、どういう姿勢で臨むのがよいか、ということを強く意識できたように思います。
大島純先生の「デザインベースドリサーチ」の話題提供にも、学習のコンテクストの構築に注力している点がみてとれました。「科学を学ぶナレッジ」、「コミュニティ管理ナレッジ」といった事柄を追求する「デザインリサーチ」を数年がかりで繰り返す実践コミュニティの話。おそらく大島先生の研究室の話か、それを少し拡大したコミュニティの話なのかと推測しますが、そこでの目的やメタ部分をはっきりと組織化、方法論化することは、新参者にとっても、中にいる人にとっても習得すべき事柄やリフレクションの指針が明確になるんだろうなと思いました。

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