
ほぼ月1回のペースで開催される納得研(納得研究会)に参加した。年内最後、かつ船上(晴海に停泊中の「大成丸」という実習船、メンバーの熊田キャプテンのおかげ)での開催ということもあって、25名の出席者。すばらしす。研究会のあとには船内見学もあり、充実した1日だった。
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研究会の報告の1つ目は、共立女子短期大学看護学科の佐藤和子先生「新卒看護師の初期看護業務習得過程に影響を及ぼす要員」。以下佐藤先生からの発表概要。
------------------ 新卒看護師の早期離職が課題となり現任教育に関する改善や職場の改善などに 目が向けられるようになり、対策がとられてきている。しかし、新卒看護師自身は、どのように受け止められているのだろうか。実際の職場では、先輩看護師やプリセプターとの人間関係、職場内の雰囲気や受け入れ状況が新人看護師を取り巻いており、職場適応に大きく影響していることが予測される。そこで、「臨床現場」で新卒看護師はどのように看護業務を習得しているのか。 その習得過程に対して、どのように思い、どのように見られていると感じているのかなど、新人の視点から考察することにより、職場環境がもつ潜在的な要員を見いだすことが出来るのではないかと考えた。そこで、具体的な看護業務習得過程を分析し、新人がそのようにその経験を受け止めているかを理解することにより、職場内教育のあり方や職場環境について検討することを目的とする。 ------------------
例えば新米看護師は検温などの素人目には「易しい」業務にあたる。しかしそんな検温ひとつとっても、個々の病院にとって違いがある。薬品を置く場所、身につけるものの種類や場所など、一見瑣末な事柄にも見えるが、それが個々の病院によって異なっている。そういった日々のあたりまえもまた、看護師がその病院の風土にどれだけ馴染んでいるのかを示す指標となる。
また、新米看護師と患者との検温場面の会話も興味深かった。患者も病気や病院に慣れてくると、看護師が確認する項目以上の情報を提供したり、看護師が尋ねる前に自分から情報を看護師に伝えたりする。会話のターンテイクの主導権が患者にあるようにも見える。
そのようなやりとりの逐語を見るに、「新米看護師」というものは、患者との会話を通してによって「新米」にさせられているようにも見える。新米であることは、特定の個人の内的属性ではなく、インタラクティブなものであることがよく見て取れた。
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もうひとつの報告は東京学芸大学連合大学院の名取洋典さんによる「『動機づけ』とは何であったのか」。以下引用。
------------------ 精神分析学の脅威に対抗するため心理学が作った「動機づけ」の概念は殊に学業場面において「内発的」で「熟達志向」なものをもつことがよいとされるに至りました。すなわち「関心・意欲」は評定するものとなりました。この経緯に加えて近年注目が集まっている「自動動機」について触れることにより特に「質問紙によって自己報告される『動機づけ』」とは一体何なのかについて考えていきたいと思います。 ------------------
これまでの心理学における動機付け研究のレビューを見るにつけ、私たちがいかに日常的に「動機」とともに生きているかのように構築されてきたがよく分かる。
議論で面白いと思ったのは、例えば内発的動機付けのパフォーマティブな側面。それは人間の内からむくむくとわき上がってくるものというよりは、極めて社会的なコミュニケーションであるという側面。
名取さんはサッカークラブで子どもに指導をしているが、そこで子どもに「もっとやる気をみせろ」といったようなことを言うと、「アピールしていけばいいのね」という返答がかえってきたりするとのこと。この子どもは内発的動機付けのゲームにみごとに参与できているように見える。何をしたらやる気があるように見えるのか、動機付けられているように見えるのか、それを行為とともに示そうとしている。コーチである名取さんもその行為を見て、「動機付けが達成された」と認識してしまう場合がある。どうやら動機付けとは極めて相互行為上達成されるものであるようだ。
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夕方、船内を様々見学した。キャプテンの部屋、シミュレーションルーム、機関室、デッキ、食堂、操舵室などなど。

若林さんに招きいれてもらった舵をコントロールするための油圧機。

実習生が甲板を磨き上げるためのココナツたわし...。
非常に有意義な一日でした。みなさま、よいおとしを。来年2月にまたお会いできればと思います。
