はこだて未来大学

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校舎内のフロアが棚田になっているのにたまらない興奮を覚えるはこだて未来大学に、集中講義でノコノコやってきた。南部美砂子先生からのお誘い。南部先生、お世話になりました!

3日間連続で集中して授業を行うのだが、せっかくなので3日間(実質2日間)で何か形のあるものを残してもらうべく、グループワークを取り入れてみた。

後にも記すが、グループワークの「やりやすさ」にはびっくりした。1年生からすでにグループワークに慣れ親しんでいるのと、グループワークを遂行する環境(広い空き空間だとか)がそこかしこに存在していること。ヒト(学生さん)の素養と空間構造とがうまいこと調和している、相互作用している。

校舎の半分以上が「吹き抜けている」印象を与える学舎に足を踏み入れれば、あちゃこちゃが行き交っているヒトビトが否応無しに目に飛び込んでくる。建造物のそもそものデザインも秀逸だけれども、その中をアレンジしながら使うヒトビトの存在が、それを「手垢にまみれたデザイン」にしてくれている。

はこだて未来大学には認知科学会で訪れて以来だったが、そのときの「お披露目」感はなくなっていた。使われていく中で空間が再デザインされてきた印象を持った。

講義ではグループごとに2つの課題にあたってもらった。1つは「実践モバイルリサーチ」、もう1つが「行為と演技:実践エスノメソドロジー」。

実践モバイルリサーチでは、ケータイを調査ツールとして使ってもらった。グループごとに、ケータイの技術的な利点/制約を鑑みながら、何らかのデータ収集をしてもらう。例えば岩村暢子さんの「食ドライブ」のモバイル版だったり、街の中の「心地よい場所」を友達から聞き出したり、大学内の使いにくいものを探し出したり。

ケータイというツールの利便性をいかして、男女や地域で比較検討してレポートにまとめるところも多かった。また冷蔵庫の中身や財布の中身など、私的領域にを対象にしたグループもあり、これもまたケータイの特異性だと思う。

受講生は、授業時間外も含めてこのデータ収集作業、レポートまとめ作業にあたることになる。にもかかわらず、すんなりこなしてくれた。当然のこと...ではないと思う。限られた時間内でのグループワークがすんなり進行してアウトプットを出す点に無限に驚いた。

アウトプットの観点もまた良い。

もう1つの行為と演技:実践エスノメソドロジーでは、ガーフィンケルとゴフマンを中心に簡単に概観して、私たちが普段何気なく行っている事柄に含まれた「秩序」を意識し、それを映像化するというもの。

「恋人同士」の場合と「友達同士」の場合とでは振舞いが異なるが、私たちはその振舞いを通してお互いの関係をどのように理解しているのかを表明しあっている。

または例えばエレベーターに乗っているときに、見知らぬ他者が途中階で乗り込んでくる場合には、特有の言動がみられたりする。そうしてお互いに微細な行動の連鎖を通して、公的な空間であることの理解を表明しようとする。

様々な関係性や主体、状況を決めてもらい、そういった抽象的な事柄が私たちの視線なども含んだ言語的/非言語的な具体的な行為を通してどのように達成されているかをまとめてもらう。

これをガーフィンケルの違背実験、そして限られた時間の中での徹底的な観察を含めて、ある状況における私たちの「エスノメソッド」に関する映像作成にあたってもらった。できあがってきた映像作品はどれも秀逸。びっくりするくらい秀逸。こねたも入っていてこれまた秀逸。

1グループがyoutubeにアップしてくれており、掲載が楽なのでここに1つ貼っておこうと思う。先に例で示した大学内のエレベーター利用、これを観察して特徴的なエレベーター内エスノメソッドを映像にした作品。

「友達」「恋人」に見えるってどんなこと? 「好意」が見えるってどんなこと? 「男」や「女」ってどんな行為を通してみえてくるの?...こんな映像が19個集まった。激しく嬉しい。